空からの涙
柚姫はそのまま地面に座り込んだ。

「俺だって離れたくねぇよ……。」

今度は俺が柚姫を抱き締めた。

もう、こうやってできる時間も少ないんだから。

「なんで?……何で別れるような事言うの?」

柚姫は泣いてた。

「俺は何て言われてもいいんだよ。けどな……苺ちゃんが言いふらしてるんだ…。柚姫には迷惑かけたくねぇんだよ。」

「そんなの私……

「ごめんな………。」

まだ話の途中。

でももう終わらせないといけないんだ。人殺しと付き合っている………柚姫がそんな風に言われるのは絶対に嫌なんだ。

「嫌だ!別れたくないよ!ねぇ、和詞ぃ…。」

「ごめんな。」

俺は柚姫にキスをした。

涙を流しながら、最後のキス。

ゆっくりと唇を離して俺は柚姫に背中を見せて歩いていた。

少しだけ暗くなった公園に柚姫が小さく泣いている声が響く。

本当にもう……終わっちゃったんだな。

俺が、終わらせたんだ。

「ははっ……俺って馬鹿だよな…。」

涙を隠すように手で目を覆った。

離さないって言ってたのに……

そう、自分で決めてたのに……

俺は……俺は、柚姫を傷つけたんだ…。

「ただいま……。」

家について、雅に声をかけられたがそのまま部屋に戻る。

「ゥアァァァァァアァァァ……」

声をあげて泣いたんだ……。






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