ストーカーに溺愛されても嬉しくないんですが。




あ、そうだ。


わたしはこのストーカーに言いたいことがあるんだった。


「あの」


「!!」


わたしから話しかけたのがはじめてだからか、かなりびっくりしている先輩。


「あなたがわたしにつきまとうのはどうでもいいですけど、

ほかの人に彼女とか言うのは断じてやめてください」


「えっ?」


「さっきの茶髪の先輩が言ってました」


「あー!宏介のことか!

そうなんだよ、あいつ俺とつゆが付き合ってるって勘違いしててさー!!照れるわ!!」


照れる前に訂正しろや。

あ、してください。


「あともうひとつ。わたしの写真を見せてもらったとか言ってたんですけどそれはどういうことですか?」


あなたわたしの写真なんて持ってないはずですよね???


持ってたら本気で通報しますよ???


いつもうるさい先輩のくせに、わたしの二つ目の問いかけには答えない。


「えっとー、それはー、」


「さっさと答えてください」



「ちょ、タンマタンマ!そんな見つめられたらドキドキするじゃん!!」


見つめてませんけど。


正しくはにらんでますけど。

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