ストーカーに溺愛されても嬉しくないんですが。
「んー...まったく覚えてないんだけど...」
ーー...たしか、普段通り帰路についているとーー...
「なあなあ」
「...」
「なあなあ~」
「...」
「っつゆ!!」
って、わたしに話しかけていたのか。
後ろを振り向くと、見たことない金髪頭が立っていた。
「...なんですか?」
「俺、3年の慶田新!(けいだ)よろしく!」
「...あなたの名前とか聞いてません。わたしになんの用事かって聞いてるんです。それと勝手に人の下の名前呼び捨てにするのやめてください」
「用事はー、
んっとな、一緒に帰ろ!!」
「...はあ?」
なんだこの人?頭のおかしいナンパ?
無視だ、無視。
「って、つゆ!?ま、待ってくれよ!」
ーーこうしてわたしとストーカーの構成は、出会って1分で仕上がっていた。
「ーー...ブッ!なにそれ!そりゃつゆもいきなりすぎて警戒するわ!」
「麻尋。やっとわたしの気持ちがわかってくれたの」
「でもさ、めっちゃメンタル強いよね~、つゆにそれだけ無視されてんのに」
「ポジティブバカなだけじゃない?」
「アハハっ、まーねえ」
「荷物とか持ってくれるときは使えるけどね」
「つゆ~、それはひどい~!」
「いや、あっちからすかさず持とうとしてくるから」
「あぁ、そゆこと~」
「てゆかこの話やめよやめよ。
そういえば今日の1限目のー...」
メロンスムージーもおいしかったし、
このあと麻尋と話し込んでいると夜ご飯の時間になったため、
ついでに夜ご飯もフードコートで済ませた。
久しぶりに麻尋とゆっくり話せてよかったな。