大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】




千尋の肩に頭を預けて、ぼんやりと空を見上げる。


しばらく、そのまま夢見心地のように見つめていたら、ヒュー、と口笛のような音が聞こえ、暗闇に大きな花が弾けた。



花火が始まったみたいだ。


次々と打ち上がっては消え、
瞳をカラフルに照らしていく。



「……きれい、」

「うん、綺麗だな」

「千尋」



同じ空を見ている。

感動に繋がる何かを共有している。
好きな人と、手を繋いで。



「同じ気持ちで見れて、うれしい」

「……どういうこと?」


分からなくてもいいの。
ただ、去年の苦しかった私に教えてあげたい。


「……好きってことだよ」

「花火?」

「違う」

「なに。俺も好き」

「……花火?」




千尋を見上げれば、違う、と小さく笑われる。
その頭上で、花火が光っている。






ああ、

今年の夏は、間違いなく幸せだ。






『恋人たちの夏』fin.

(寒い冬に夏の真ん中の番外編を失礼しました!)





< 433 / 433 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:280

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

RAVEN CODE
灯えま/著

総文字数/38,539

恋愛(キケン・ダーク)52ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「弱い者にしかできない戦い方が必ずある。 侮蔑も冷遇も凛として受け止めておけばいい」 ◆ 襲われかけたところを助けてくれたのは、 ──恐ろしいほど美しい年上の男だった。 夜光を透かす黒髪 氷のような瞳 愛想のない低い声 安堵する微熱 たったひとつでも真実があったならば、 それでよかった。 「男のひとつも知らないで、 これからどう生きていく気だ」 ◆ あらゆる思惑が交錯するなかで どうしようもなく、惹かれていく。 「苑、わたしを自由にして。 わたしも、あなたを自由にするから」 ──さあ、妖しい駆引きと狂愛の はじまり、はじまり。 ────── 人生初の不良ラブの試みです。 なにとぞ、お手柔らかに…! 𝟐𝟎𝟐𝟒𝟎𝟒𝟏𝟓 𝐬𝐭𝐚𝐫𝐭 . . .
可愛くないから、キミがいい【完】
灯えま/著

総文字数/210,669

恋愛(学園)368ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「かわいい」「天使みたい」「彼女になって」 いままで、散々もらった言葉。 人並み以上にモテたし 可愛くみせる方法も知っていた。 それなのに、 「お前、計算してるのばればれだから」 ある日、見透かした目で嘲笑われた。 . かわいい至上主義の性悪ガール 広野 みゆ(Hirono Miyu) × 少々口が悪めのつれないイケメン 和泉 しゅう(Izumi Shu) . 意地悪で 最低で 大嫌いなはずなのに 気になっちゃうのは どうしてだろう。 「睨んだ顔は、けっこう好きかもな」 「少しくらい素直になれねーの?」 「仕方ないから、俺がそばにいてやるよ」 * 本当は 強がりで 不器用なくせに ぜんぶ隠して、自分を偽る。 いじらしくなるほど 素直じゃない。 そういう部分を、もっと見たくなった。 「手、出さないんじゃなかったわけ?」 「気が変わった。お前のせいで」 「はあ?ムカつくんだけど」 どうせ、不服そうにするのだろうけど、 ━━━━可愛くないから、キミがいい。 *
ねえ、予測不能
灯えま/著

総文字数/35,016

恋愛(その他)93ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
〈 ファン様限定公開 〉 甘やかしたい 頼られたい ずっとわがままを 許していたい たぶん、一生 手放せない . 長くて 苦しい 遠回りをして 幼なじみが 恋人になりました。 . 「……隣、きて」 きみの知らなかった部分に 甘く 翻弄されていく ◇ 『ねえ、理解不能』の番外編集です。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop