大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】
「――『俺、いま、はじめて千歳くんのこと死ぬほど嫌いだと思った』」
「……っ、」
「ってそれだけ言って、自分の部屋戻ってった」
「……、」
「すごく怒ってた。それもさ、怒鳴るとかじゃないんだよ。あいつの場合、怖いくらい静かに怒ってんの。俺ね、あれからしばらく千尋に口聞いてもらえなかったからな。よく考えたら、可哀想な話だよ。俺が好きな子の恋心奪ったお前に怒りたいよって、ちょっと逆ギレしたかった、あのとき」
千歳くんに怒りの感情をむける千尋は想像できなかった。
すごく千歳くんのことを慕っていたくせに、私と別れたことにどうしてそんなにも千尋が怒るのか、分からなかった。
受け止め方に困って戸惑っていたら、虹、と優しく名前を呼ばれる。
それで、ゆっくりと、となりに顔を向けたとき、