綺麗に泣く
居ても立っても居られなくなった百武が口を開いた。
「あの、写真展がどーかしたんすか」
「え、ああ。行ってないんなら行かない方がいいよ。」
何か笑いを含んで言う敦の態度に百武は、ムカっとする。
なんなんだよ、とでも言い返そうかと思ったところに春吉さんが牛丼を二つ、お盆に乗せてやって来た。
「お待たせ〜、なかなかパクれなくてさ」
明は、目の前に運ばれて来た牛丼を見て、幸せだ、と言わんばかりの笑顔になる。
「頂きます!」
「いただきます。」
パチン、と両手を目の前で合わせて、勢いよく食べる。
「おい、喉詰まらずぞ」
「ゆっくり食べなよ〜」
と、春吉と敦はかなり引き気味だ。
「ん〜!美味しかったあ」
「ん。美味かったっす。あざした。」
しばらく無言でがっついていた二人は丁度同じ頃に食べ終わった。
「はは、早いねー、じゃ片付けてくるわ〜」
と、春吉さんは、引き気味のまま退散した。
「んじゃ、次行くぞ。ここは、行列無かったけど、他はそうは行かねんだから。」
敦さんと離れる事を残念がる明だが、他も回りたい気持ちもあるので、百武の言葉に頷いた。
「ありがとうございました!美味しかったです。あ、あの、あたしのクラス、一年三組は、今流行りの映画の役者の顔パネしてます!写真、取りに来てください!」
「は、顔パネ、か。気が向いたらね。」
待ってまーす!と手をブンブン振りながら、明は百武に連れられて、牛丼屋を出て行った。