夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「ママ〜なにもらったの〜?
あ!これ、ヒナのだいすきなやつだぁ〜!」

無邪気なヒタナは紙袋の中を覗き込むと、大好きなマドレーヌを見つけて大はしゃぎ。
するとアラン様は、そんなヒナタに予想外の対応をした。

「そうか、それは良かった。たくさんあるから、色んな味食べてもいいぞ」

驚きのあまり言葉を失う。
アラン様は屈んで、ヒナタと視線を合わせて、優しく頭を撫でたのだ。
更に……。

「ほら、そっちの……ヒカル、だったか?弟にも分けてやれ」

「うんっ!ヒカル〜いっしょにたべよ〜」

アラン様に促されて、ヒナタは紙袋からヒカルの好きな味の焼き菓子を取りだして手渡すと、仲良く頬張りだした。


ヒカルは人見知りだ。
アラン様がもし直接手渡していたら、警戒して素直に受け取る事などしなかった。

それが、分かっていたの?
私の脚にしがみ付いているヒカルにも気付いて……。しかも、ヒナタにお菓子を渡させて、ヒカルが受け取りやすく仕向けたアラン様。
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