夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「私がなんでここへ来たのか……分からないんですかっ?」

「っ……アカリさん」

私の問い掛けに、マオさんがポツリと呟くように私の名を口にする。
マオさんも、上手く言えないだけで伝えたい事はあっただろう。

しかし。
この時の私はもう自分を止められなくて、何よりも身体が動いてしまった。


「……分かりました」

「!……え?」

「もう、いいですっ」

怒った口調で言い放つようにそう言うと、私は扉から離れてズカズカと歩き出した。


……ただし。
私が向かった先は、自分の部屋ではなく……?
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