夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

『なんで、そんな瞳で……僕を見るんですか?』

僕が思わず言ってしまった質問で、昨夜は曇ってしまっていた彼女の表情。泣き疲れて眠ってしまったアカリさんの寝顔を見つめながら、とても後悔した。

もうあんな表情《かお》はさせたくない。
僕は自分の疑問を飲み込む事にした。


「?……マオさん?どうしました?
あ、もしかして剥きにくかったですか?」

視線に気付いた彼女に心配そうに左手を見つめられて、僕は首を横に振る。

「いえ、大丈夫です。
コツを掴めばさほど不自由ではないんですよ?」

そう言って僕が微笑うと、アカリさんも微笑ってくれた。


この笑顔が大好きだし、楽しい時間を壊したくなかった。
我慢するのは慣れていたし、これまでの生活の事を思ったら我慢のうちになんて入らなかったから……。

ーーでも。
僕はこの後どうしても我慢が効かなくて、アカリさんにその気持ちをぶつけてしまうんだ。

……
…………。
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