夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

***

「っ〜〜……あーッ!ダメッ!ちっともふわとろにならない!」

お父様の所有物である一軒家の台所で、わたくしは1人料理と格闘中。

今日は、お父様とマオ様と一緒に結婚式の打ち合わせに行ってウェディングドレスを選んだ。これまでたくさんのパーティーやお祝いの席で色んなドレスを着てきたけれど、やはりそれは比べ物にはならない特別な物。
純白に輝くドレスを身に纏った瞬間、やはりこれは女性ならば誰もが憧れる物なのだと実感した。
そして、わたくしにそんな喜びを教えてくれたのは、他の誰でもないマオ様なのだと……。


「ーーよし!もう一回!」

それと、もう一つ。今まで仕事一筋で家事なんて一切やってこなかった私を料理に目覚めさせたのも彼だ。
着慣れないエプロンを着けて、今夜の夕飯のメニューであるオムライスを頑張って完成させようとしている。

……しかし。
台所に立ってもう一時間は過ぎただろうか?
一向に完成する気配はない。
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