いじわるな藍川くんの愛が足りない
「そっ、そもそもストーカーなんてするわけ...!!」
「だってアンタ、俺のこと好きなんだろ?」
「は」
目が点になる。
でも、わかる。彼は決してナルシストではない。ただたんにわざと言っている。その悪魔みたいに笑ってる口元がなによりの証拠だ。
「っはああ!?」
反抗したくて大きな声で否定する。
「それは夏休み前のはなしで、今は藍川くんのことなんてまったく好きじゃないから!!」
「へー。それはなにより」
「それに、わたし、藍川くんがそんな人って知ってたら、好きにならなかった!!」
わたしの言葉に、彼は眉間にシワを寄せた。
「なにそれ?俺の性格が悪いとでも言いてぇの?」
「そ...そうだよ!?」
「ふーん。言ってくれんじゃん?」
「と、とにかく!あのときのことは忘れて!!」
はやく彼の頭から告白したことが消え去ってほしい。
できることなら、終業式の日に遡りたいくらいだ。