俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「ど、どうしてわたしの前で本性を...!?
そのままでいてくれたら...!!」
人は誰しも完璧ではない。
それは彼にだって当てはまるだろう。
ほんの数分前までは、“完璧”と思っていたわけだけど。
わたしが言いたいのは、どうして全面的に本性を出してきたのかということだ。
少しボロが出る瞬間だってあるかもしれない。
だけど王子様だと信じてるわたしなら、多少ボロが出ても次の瞬間にはごまかされていただろう。
悔しいけれど、そんな自分が容易に思い浮かぶ。
それでもいいからーー
憧れの“王子様”のままでいてほしかったーー
「1ヶ月、お前だけのために猫かぶる必要なんて、ないだろ?」
“当たり前だろ?”そんなふうに告げられる。
...それは、つまり...
わたしには、猫をかぶる価値がないということ?
そういうことだよね?
「ッさ...っ」
わたしの中のソレがたった今、一気に崩れ落ちた。
「最ッ低!!偽物!!」
自分でもびっくりするくらい、大きな声が出た。
きっと廊下まで響いただろう。
でも、そんなのまったく気にしていられなかった。