俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「...はやッ!?」
隣のパソコンを盗み見ると、すでにザラザラと文章が打たれていた。
カタカタカタ...と洸はどうやらタッチタイピングができるようで、
存分にその長い指が生かされている。
声に出したつもりはなかったのだが、
つい心の声が自分が思ったより大きく口に出ていた。
ピタリととまる洸の指。
そしてわたしのパソコンに目線を移して。
「おそっ。
まだなんも書けてねえじゃん」
とおかしそうに笑った。
「う、うるさい!
テーマが決まらないだけなの!!」
「そんなのテキトーでいいんだよ。
先生も対して厳しく見ねえよ」
「...とか言ってテキトーにしてないじゃん」
洸のパソコンには一つのスライドしか映ってなくて、その前後は分からないけど、
その1枚を見ただけでテキトーではないことはすぐに分かった。
図や絵も挿入されているし、色使いも見やすい。
わたしなんて白黒でいいと思っていたのに...。