俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡


ーーカチッ、と。


わたしが次のスライドに進むためにマウスを押したのと、

「なーに人のレポート見てんの?」

と背中にふわりと体温を感じたのはほぼ同時だった。


「っきゃああ!!」


文章を読むのに真剣になりすぎて、背後からやってきた人物に気づかなかった。


洸はわたしの声で耳がキーン!としたようでそんな素振りをする。


「人のマネしちゃ、だめだろ?」


いすに座りながら、まるで小さな子供に注意するように言われる。


「ま、マネするつもりじゃないよ。

ちょっと見てただけで...ひゃっ」


ーーピトリ、と。

手に持っていたペットボトルのりんごジュースを頬に当てられた。


ひんやりと冷たい感触。


「これ、やるよ」


持っていたソレは自分で飲むのかと思ったのに、

どうやらわたしに買ってきてくれたようだ。


「あ...ありがとう」


ソレを受け取り握りしめる。


心臓がトクンと一度だけ高く跳ねた。

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