俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「お、女の子がこういうことされたら誰でも喜ぶと思わないで!!」
絶対そうだ。
自分に自信があるからできることだ。
わたし以外に誰でもこんなことしてるって思ったらそれもそれで嫌だけど...って、そうじゃなくて!!
「つーかこれ、円グラフじゃなくて棒グラフのほうがいいんじゃねえの?」
「ひっ人の話を聞いて!」
「聞いてるけど?...お前の心臓の音がすげーの」
洸はそう言ってわたしの背中に耳を当ててきた。
たしかにわたしの心臓は今までで一番暴れまわっている。
どうしても防げないソレが、とてつもなく恥ずかしい。
「耳まで真っ赤だな?」
「っ!!いちいち言わないで!!」
「可愛いな、お前」
「~ッ...」
さっきは、可愛くねえやつ、なんて言ってきたくせに...。
なんだかもう、ムダな抵抗はほんとにムダな気がしてきた。
「棒グラフに変えるぞ?」
「うん...もう、そうして」
変に抵抗しても、この人から逃げることはできないと思った。
余計な抵抗をしても、さらにドキドキさせられるだけだと思った。
こんな補習になるなんて、誰が予想していただろう。
こんなことがもし度々あるようならば、
わたしはきっと、
心臓がいくつあっても足りやしない。