俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
どうして洸の家になんて行かないといけないの?
わたしたち、そんな仲じゃないでしょう?
わたしなんて、猫をかぶる価値がない平民女なんだし。
本性が出せてのびのび補習ができる、都合のよい女なんだし。
「絶対行かない...」
...と決めていたのに。
「...それさ、望月くん、ハルのこと好きなんじゃないの?」
「ブッ」
土曜日に遊ぶ友達とは、紗由理のことだった。
紗由理の迷いのない一言で、わたしは飲んでいるりんごジュースを吹き出しそうになった。
「ゴホッゴホッ」
しまいにはむせてしまう始末。
「ちょ、ハル、テンパりすぎ!」
「だ、だって、紗由理がとんでもないこと言うから!」
「とんでもなくないでしょ。だって、好きでもない女の子にそんなことするかなー?」
「男経験の免疫がないわたしの反応を見ておもしろがってるんだよ」
「うーん。
いやあ、でもまさかそんなことになってるとはねえ」
「...紗由理、なんかおもしろがってない?」
「ぜーんぜん?おもしろくないよー?」
「...」
紗由理め。