残念系お嬢様の日常


「よろしくね、お嬢様」

慌てて手を払って、雨宮を睨みつける。

油断も隙もない! やっぱり雨宮という男は危険なやつだ。軽いノリでこういうことされないように気をつけなくては。


「っこのチャラ男!」

「お嬢様がチャラ男なんて言ったらダメなんじゃない?」

「うっ」

「あはは、顔真っ赤〜! かわいいねぇ」

原作を考えても雨宮は犯人ではないだろうし、今の雨宮を見ても殺人を犯すようには思えない。

秘密の共有ができる存在というのは有難いけれど、うまくやっていける自信は正直あまりない。


「うるしゃい!」

「噛んでるし」

「笑うなっ!」

それでも、この日久しぶりに私はありのままの自分で感情を露わにしながら話せた気がする。

そんな時間が少し楽しいだなんて思ってしまった。




こうして私はある意味危険な相棒と犯人捜しをすることになったのだった。





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