春雷
「もう少し眠りますか?今日は入院になります。明日また検査と、警察の事情聴取があるそうです」
「そうですか‥」
「学生からは薬物反応がでました」
「‥はい」
「柴田先生、喋るのが辛いですか?」
「痛い、です」
複雑な思いが駆け巡るけれど、それを言葉にするにはあまりにも体が痛かった。
怖かった。本当に死ぬかと思った。
その時、ふと気がついた。
この組み合わせ、ちょっとおかしくない‥?
高村先生と、由乃ちゃん、て‥
(なんとも、不思議な‥)
高村先生が、窓を割って助けてくれたのはもちろん覚えている。
救急車が来るまで、ずっと側にいて抱きしめてくれたし、
本当に心強かった。
あの時は、自分のことばかりで、気づかなかったけれど、
(高村先生、血がいっぱいついてるし、ケガしてる‥)
彼のセーターは、血糊が黒く変色してついてるし、優しい笑顔を見せてくれるけど、顔は憔悴していた。
ああ、迷惑をかけてしまった‥。
私は自分の行いに、心底後悔した。