春雷
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誰かがすすり泣く声がする。

頭と体のあちこちの痛みで目が覚めた。

「あ、起こしちゃったかな」

涙声だけど、よく聞きなれた可愛い声が聞こえてきた。

目を開くと、見覚えのない天井と泣いている由乃がいた。
目を開くと、痛みが走った。

「痛い‥」
「琴葉さん、大丈夫?!どこが痛いの?」
「いろんな所が‥」

なんで‥
なんでこんな痛いんだっけ‥
ああ、思い出した。

意識がだんだんはっきりとしてきて
学生に暴力を振るわれたことを思い出した。

「今、何時‥?」
口を動かしてみると、どこかが痛い。
「五時です」

男性の声が聞こえた。
ああ、この声は覚えている

「た、かむらさん‥」

痛い目を声の方向に向けたら、
彼がいた。
とても優しい顔をしていた。
こんな時でも綺麗なものは綺麗なもんだ。

見慣れた二人が側にいてくれたので、少し安心した。
「すみません‥寝ちゃって‥。お茶も出せない‥」
アハハと、二人が笑った。

「琴葉さん、こんな時に何言ってんのー気を使ってる場合じゃないでしょーっ」


二人が笑ってくれたので、ああ、もう怖い時間は終わったんだと、安堵した。
私も少し頰を緩めた。
口の中は切ってないようだ。
だけど痛い。
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