春雷

「男性ホルモンが満ち溢れて、エネルギッシュだし、先生は頭脳明晰、器も大きい。僕には眩しいくらいです」


「そ、そう‥?」

「はい」

「くそ〜っ!!よしっ!高村くんっ!
質問がある!君、まさか柴田先生の家庭を壊そうとか思ってないよね!?娘さんと柴田先生を引き離そうとか、思ってないよね?!」

「もちろんです。柴田先生の大事なものは僕も大事です。引き離すつもりもありません」

「じゃあもう一つ聞くよ!君ならいくらでも彼女ができるはずなのに、なんで柴田先生なんだ?君は人妻マニアか?いつも人妻ばかり狙うのか??」

「仰る意味がわかりません。人妻だから好きだとか、あり得ないです。他の女性には興味がありません。柴田先生が最後の恋だと思っています」

「キャ〜!カッコいい〜っ!」

「わかった。意思は固いようだね。よし、じゃあ、ボクと勝負しよう!ボクが負けたら、君の恋を応援する」


「?なんの勝負ですか?」

「君の無くした靴の片方、柴田先生が見つけたら君の勝ちだ」


「あはは、シンデレラですか。
でも僕、柴田先生に探してもらうつもりはありませんよ?勝手に僕が無くしただけですし、ゲームの主旨があまり感じ取れませんが‥
でも、面白いですね」

「よし!じゃあ、君が負けたら、柴田先生を諦めろ!」



「村上先生、それは無理です。そもそも恋は人が止めて、やめれるもんでは」

「わかった悪かった。たしかにそうだ。君、めんどくさいな。じゃあ、君が負けたら、君の片想いに全力で反対する!
一切僕に恋だのなんだのを話さないことにしてくれ」


「わかりました。期限は?」


「三月末にしよう」
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