春雷
「高村先生!!!やめてください!むっ、娘ですヨッ?!娘に、普通そんなこと言いますかっ?!ほんとにやめて下さいっ!!!」
私は他人に声を荒げることなんてめったにしない。ただ私の心配をして寒空の下で待っていた彼を思うと申し訳ない気持ちもあるけれど、娘のいる前では厳しく接するしかなかった。
「そっ、それに、高村先生だって、
家族‥いらっしゃるんじゃないですか‥。
こんな私に構っている場合じゃないと思いますけど‥」
「えっ?!高村先生結婚してんですか?!」
「いえ。それについても是非とも聞いていただきたく、参上しました。」
「私はそんな事気にしてません。私にも家族がいます!先生が結婚してようが、してなかろうが、何も変わる事はありません」
「えっ!琴葉さんすごいね!こんなイケメンに告られて、それでもあんなパパ選ぶの?!」
「ちょっ!ユノちゃんっっ!ユノちゃんも高村先生も、なんか、変だよ?」
いまどきの若い子はこんなにサバサバしてるもんなの??
母親が浮気してるとか、そういう所気にならないんだろうか‥。
頭が大混乱だ。