42歳 主婦 旦那様に片思い中【佳作受賞】
すると、その週末は会えないと言ってたはずの喜多見さんから、返信が届いた。

『土曜、休日出勤なんですが、夜だけでも
会えませんか?』

掛かった!!
私は魚を釣り上げる漁師さんの気分だった。
あとは、慌てず、リールを巻くだけだ。

当時、私は、純朴な彼よりも、年下の私の方が恋愛経験値は上だと思っていた。

週末、彼は、朴訥とした話し方でたどたどしく告白をしてくれた。

私はにっこり微笑んで、それを受けた。


その後は、早かった。


4ヶ月後、仕事の愚痴を零す私に彼は、

「仕事、辞める?」

と聞いた。思わず、

「は? 辞めたいけど、無理でしょ?」

と言うと、

「辞めていいよ。結婚しない?」

と彼は言った。

だから、私は、彼との結婚を決めて、寿退社をした。
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