極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
(まさか、職場が一緒になるってことはないよな? ブルーメゾンもグループ企業を多く抱えてるし、きっと別の会社に異動するんだろうけど……)
彼女に返す答えを思案する環は、万が一を考えただけで、頬が緩んでしまいそうだ。
もしも共にブルーメゾンに勤めることになれば、社内恋愛に気乗りしていない彼女を振り向かせるのは難しくなるだろう。
それでも落とすつもりではいるけれど、ハードルは少ない方がいい。
どうか、別の企業であることを願うが、万佑と日頃から近くにいられる環境は捨てがたくもある。
「永縞さんがこの前話してくれた仕事に対する姿勢とか、この先自分がどうなりたいかを常に考えて動いているって言っていたのが印象的だったんです」
「あぁ、あれか。ごめんね、なんだか偉そうにいろいろ語った記憶があるよ」
「そんなことないです! すごくためになりました。だから、こういう時に永縞さんに話を聞いてもらったら、なにかアドバイスがいただけるかなって……」