同期以上、彼氏未満
いくら詩織に愚痴っても、何も解決しないことはわかってるけど。


何かキッカケを探し続けている、という曖昧な現状がイヤでたまらない。


クリスマスに大ゲンカしてから、裕和は態度をあらためた。


完全とはいえないけど、やりっぱなしの頻度は確実に減った。


だから、これならいいかな、と思ってしまったのは事実だ。


私にだって、裕和が気に入らないところはたくさんあると思うし。


そういうとこはお互いさまだから、この程度のことで別れを切り出すのは変なのかも、と考えたんだ。


そして月日は過ぎ、2月になった。


今年の冬は寒い日が多くて、寒いのが苦手な私にとっては憂鬱な日々だった。


裕和は大阪出張で3日留守にしていて、久しぶりに昴と詩織と私で飲みに行くことにした。


だけどその日は雪がひどく、うちで家飲みすることにした。


チゲ鍋食べて、飲んで、しゃべって、楽しい金曜日だった。


みんないい感じに酔っぱらってきた時、詩織が昴にからみだした。


「昴、もうそろそろ恵のこと、かっさらっちゃいなよ」


「かっさらうって、どないやねん」


「恵、須川さんとあんまりうまくいってないんだよ、ね?」


「ね、ってさ、今は落ちついてるけど」


「落ち着いてるんやて」


「私はね、恵にも昴にも幸せになってほしいんだよー」


そう言うと、ソファーにもたれて眠ってしまった。


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