倉島菜々子は初恋未満?
ふう。間に合った。
落ち着いてリボンでも整えよう。ぐっちゃぐちゃだ。
まあいい。私の学校に男子は居ないし。

ふと、振り返る。

一人の少年が目に止まった。
すらりと長い足。
夏の半袖シャツから覗く透明感のある肌。
うっすら血管が見える少したくましい腕。
サラサラの細そうな黒髪。

< 2 / 84 >

この作品をシェア

pagetop