青の瞳に映るのはーー
ーーーーードンっ。

「なあ、好きなんだけど……目黒と別れて俺にしない?」

壁に手をつき行き場を無くす、内藤に美心は少し後ずさる。

「内藤くん、ごめんなさい。
私は、目黒くんが好きなの」

内藤が、美心の腕を掴む、そして……抱き締めた。

「やっ、離して内藤くん!!」
ーーーーガシッ

「ヒッ!!目黒!?」
思わず睨んでしまう。
これが、劇だと分かって居ても……。

美心が、嫌がってるのは事実で……。

嫌がる姿も、泣き出す様な仕草も……俺には我慢できない。
「ああ、無理だ。
我慢の限界、藤……内藤の命の保証ないけどいい?」


命の保証!?

「冗談言えるようになったね、目黒くん。今からそんなんで大丈夫?
内藤からのキスシーンがあるのに……」


キ………キスシーン!?


「え、なにそれ梓」

「なにそれ、キスって……」

美心と、内藤同時に青くなる。


「元々内藤くんの役は、橋爪くんの役だったでしょう?二人のキスシーン入れてあげようとしたんだけど、橋爪くん辞めたからさ。
台本書き直すの面倒だし、やめたの」

美心達、真っ青だけど。

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