青の瞳に映るのはーー

キスを君にーー。

「雷くん…………」

隣にいる美心の、悲しげな声がした。



「雷くん、私あなたが好きよ」

悪魔が笑顔を浮かべ、雷に近づく。
不敵な悪魔は、ニヤリ、と笑った。


「美心!!」

「えっ………?」

君が、俺を見た。

ちゅっ。


重なる唇の音は、誰のモノ?

「青くん………今っ………」

赤い顔の君。
赤い顔の美心を見つめた。

君には、雷とのキスを見せたく無かった。

「美心、急にごめん」


「ちょっと二人共、見せつけないでよ」


梓が、側に居たんだーー。

「「ご、ごめん」」

幕の中に居た、梓と廉は顔を赤くした。

清水菜子は、美心を睨み付けているのがわかった。
清水は、少なからず、美心を憎んでいる様に思う。

きっとあのキスを、見せつけたかったんだ。
だけど、残念でした。

美心の目には、俺しか映ってないから。

< 212 / 242 >

この作品をシェア

pagetop