青の瞳に映るのはーー
君に出逢うのは、きっと運命ーー

気になる君の背中。



「きゃっ」

え、ちょっ……危ない‼

廊下の角ぼんやりと歩いてたら、女の子とぶつかりそうになった。

よろけかけた子を、支え彼女を見下ろした。


色白で、長い黒髪の彼女は…………肩で息をしている。

ぶつかっていないのに、なぜかその息は荒い。


「大丈夫………?
ごめん、ちゃんと前見てなくて………」


「きゃー、香織大丈夫??
すいません、具合悪いみたいで保健室教えて下さい‼」


一緒に居た女の子は焦ったように、香織と呼ばれた子を支えた。

なんだ………?

随分、顔色が悪い。
立ってるのもしんどそうだ。

「大丈夫………?
ちょっとごめんね」

「え、きゃっ、な、何?あの………?」

俺は、彼女をお姫様ダッコした。

「保健室、連れてくからしっかり捕まってね」

下心なんてない。
ただ、君が、心配だった。

「あ、はい。
すいません………」

胸の中の小さな君は、俺のシャツをやんわりと握っていた。

俺は、彼女を抱いて保健室へ来た。



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