先輩の彼女にしてもらいました



その翌日からも、相変わらず私は放課後、バスケ部の練習を見に行ったけれど、先輩に声をかけてもらうことはなかった。

私からも彼に、以前のように気軽に近づいていけなかったし、電話もできなかった。

なぜだかあれ以来、先輩と2人きりで話すことが、出来なかった。また突き放されてしまうような気がして自信がなかったから。

だけどやっぱり彼に毎日会いたい気持ちは少しも変わらない。

彼は不調だと言っていたけれど、私には先輩のバスケをする姿が、それほどいつもと違っているようには見えなかった。

相変わらず、彼は高く飛んでいたし、動きも早かった。足の怪我の影響なんて言われなければ、全然わからないくらいだ。

ただ、先輩の表情があまり冴えないように見える。

先輩はいつも楽しそうにバスケをしているのに、明らかにそんな風ではなかったので、私は自分まで落ち込んでしまいそうだった。

< 359 / 450 >

この作品をシェア

pagetop