先輩の彼女にしてもらいました
もう、来るなって彼に叱られるんじゃないかと、内心ドキドキしていた。

夏休みに入ると、一般の見学者は第2体育館へは、立ち入り禁止にされてしまったけれど、私は桜さんのおかげで一日3時間ほど彼女のお手伝いをするという名目で、バスケ部の練習場にも入ることができた。

「よう、蒼井、もう正式にマネージャーになったのか?」

マネージャーのお手伝いをしていると、時田くんに、よく話しかけられた。

「ううん、違うよ。夏休みだけ桜さんのお手伝いなの」

スポーツドリンクが入った大きな籠を運んでいたら、彼が手伝うよと言ってくれた。

「い、いいよ、このくらい大丈夫だから」

「いいよ、重いだろ、貸せよ」

「いいったら」

何回、断っても彼が引こうとしないので、周りの人が見ているような気がして少し恥ずかしい。


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