響くんとは付き合いません!!



「つーか、誰もこないし暇だなぁ」

「そだね」



図書室には私と九折くんの2人きり。

会話が途切れるたびに訪れる静寂が気まずい。



「私っ……暇つぶしに本でも読もうかなっ」

「んじゃ俺も」



私がガタン、と席を立つと九折くんも立ち上がった。



「へぇ、漆島って星座とか好きなんだな?」

「あっ、うん。小さいころから天体観測が好きなの」



星座の図鑑を眺めていると、九折くんも私のとなりから図鑑を覗きこんでくる。



「へー。女の子って星とか夜景とか、キラキラしたもんが好きだよな」



腕と腕があたるくらいの近い距離感が穏やかだった胸の鼓動をはやめる。



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