響くんとは付き合いません!!



やっぱり私、この場にいない方がいいのかな…。



響くんの目にもここちゃんの目にも、私は映されていないし。

もう完全に2人だけの世界になってしまっている。



「ひーくんが優しくしてくれなきゃやだっ……。お願いだから、どこにも行かないでよぉ。ずっと一緒にいようって言ってくれたのにぃっ」

「……はぁ。ったく、なんでお前はそんなに泣き虫なんだよ」



……胸が苦しい。



響くんとここちゃんのあいだには、3年ぶんのたくさんの思い出があるんだもんね…。



好きって言い合って、ずっと一緒にいようねって言い合って。



お互いに愛し合っていた時間が、たしかに存在していたんだもんね。



「さ……先に行ってるね!」



なんだか急に泣きそうになってきたから、逃げるようにして校門に向かって走った。



< 224 / 441 >

この作品をシェア

pagetop