眩しさの中、最初で最後の恋をした。

「日菜子自身は水を得た魚ね。楽しくて仕方ないみたい」

とっても楽しそうにサーブを決めてく日菜子。

「私、このまま日菜子が勝つと次で当たるのよね……」

ちょっと嫌そうな茜。

「でも、あのサーブなんとか出来るの茜くらいじゃないかな?」

私が言うと、要くんと蒼くんが驚いて茜を見る。

「え?茜ちゃん経験者?」
「あの力技サーブなんとか出来るのか?」

二人は驚いている。
知らなきゃ分からないわよね。

「あ、茜は中学時代がバレー部でね。関東ベスト4入りしてた時のキャプテンでアタッカーだよ?高校では辞めちゃったけど、私立高校からスカウト来てたくらい上手なの」

ニコニコと伝えれば、二人は納得して頷くと言った。

「あれとの対決楽しみにしてる」
「日菜っち悔しがりそうだね」

二人はそれぞれ言うと、試合に向き直る。

いい音は続き、日菜子のチームはしっかりと勝利をもぎ取ってきた。

「有紗!勝ったよー!」

ぴょんぴょん元気よく戻ってきた日菜子を撫でつつ、言った。

「次の試合は茜とだよ?」
「えぇ!!チーム競技とはいえ、あの茜ちゃんと?茜ちゃん調子は?」

それにピースで返事する茜は既にやる気だ。

「お手柔らかに、お願いします」

あの日菜子の態度に男子二人が驚いてるんだが、それをものともせず返すのが茜だ。
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