ワケありヤクザと鈍感少女
匡がその場から去ると生徒たちの視線は

一気に私に集まった。

(…これはやばい。)

その場に居ても立ってもいられない私は

さっさと自分の下駄箱へと向かう。

すると背後から聞き覚えのある声が響く。

「ちょっと!沙綾!!今のなに!!??…」

「亜夢…」

「さっきの車って鈴木組の…って、ちょ」

私は亜夢の腕を掴んでトイレへと駆け込む。

「はあ、はあ。

…で、何があったの?沙綾。」

「じ、実は…」

私はこれまでの経緯を亜夢に全部話した。
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