ワケありヤクザと鈍感少女
「・・・名前は?」

拳銃眺めながら彼は口を開いた。

「・・・あ、あ、蒼井沙綾です。」

「・・・俺は鈴木響也(すずききょうや)。

よろしく、沙綾。」

絶対3股とかしてるんだろうな。

女慣れしてそうだし。

さっきもしれっと抱きしめられたし…

驚いたような表情を見せる彼を気にせず、続ける。

「・・・あ、す、鈴木さん。

さっき、何か言ってましたよ。

覚えてるかわかりませんけど・・・。」

「・・・あぁ。




なんでもない。」

彼は、なにかを隠すように話を続ける。

「それと名字呼びやめろ。

響也でいい。」
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