愛されたい、だけなのに。〜卒業から少し経ったお話〜
その日の夜、騒ぎを聞いた圭吾くんのお母さんに少し怒られてしまった。
カフェを途中で抜けた圭吾くんの代わりに、ランチから戻ったお母さんが店番をしてくれていたらしい。
私と圭吾くんが戻って来るまで、生きた心地がしなかったと言われた。
本当の家族じゃないのに、本当の家族のように心配してくれる。
私にこんな幸せを与えてくれたのは、圭吾くん。
けど、そんな圭吾くんに出会わせてくれたのは圭吾くんのお姉さん。
巡り巡って、私を助けてくれた。
だから、今度は私が誰かを助ける番なのかもしれない。
圭吾くんには必要以上に関わるなって言われてしまったけど、私は結芽ちゃんをほっとけない。