キミに好きって言えなくて。



奏汰に背中を押されて校内を探し回る。



「わりぃ、吉沢見てない?」




すれ違うクラスメイト何人かに聞いてみると、


「あぁ!衣装片付けてくれるって!
屋上の倉庫にいるかも!」



とヒントをもらえた。



花火が上がるまであと少し。



頼む...間に合ってくれッ......




そう思いながら俺は屋上の倉庫まで走った。




あともう少し...
走りながらも、微妙に遠い距離が歯がゆい。



階段を必死で駆け上がって屋上についた瞬間




ヒューーーっ ドーーン




大きな花火が上がった。



その瞬間、俺はあの夏祭りのことを思い出した。




浴衣姿ではしゃぐ吉沢。


花火に感激して思いっきり笑顔を見せる吉沢。



手を繋いでちょっと照れたような顔の吉沢。




全部俺がすげぇ好きな吉沢ばっかで、泣きたくなった。




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