キミに好きって言えなくて。
抱き締めた彼女は、俺が思ってたよりも
さらに華奢で
あまり強く抱き締めたら潰れちゃうんじゃねぇかとさえ思った。
「綾瀬...?」
そう何が何だか分からないような彼女と
俺は抱き締めた腕を緩めて顔を合わせると、
俺を不思議そうに見つめる目と目が合った。
「誰かと一緒に見るんじゃなかったの...?」
「わりぃ。全部嘘だ。
花火を誰かと一緒に見ることも。
お前のことどうでもよさそうにしてたことも。
昔、白石のことが好きだってことも...。
俺が大事にしたいと思うヤツなんて、
ずっと昔から1人だけなのに。
周りとか、状況とか、環境とか...
いろんなものを言い訳にして
ずっと伝えられなかった。」
俺が言う言葉を一語一句逃さないように
吉沢は俺の目を見てしっかりと聞いてくれてるような気がした。