好きが伝われ


「はぁ…なんでだろうな。」

独り言のようにつぶやく莉玖君。


「なにが?」

「歩夏だよ。なんで翔太なんだろうなって思ってさぁ」

「え?」


まるでそれは…自分ならいいのにって言ってるような。

でもだとしたら、莉玖君は歩夏が…?



「あ、そういえば。今日翔太が紫衣ちゃんに火起こしやらせなかった理由はちゃんとあるんだよ」

「え?そうなの?」

「怪我させないためにね?」


え?そんなこと?
私が火傷とかするのを防いでくれたの?



「でも、2人が男に絡まれてるところ発見した時の翔太の顔はすごかった〜」

「すごかった?!」

「うん。怒りと焦りとで言葉にできない顔してた。それだけ心配だったんだよ」



翔太が…私を。

でも。翔太には歩夏が


< 41 / 177 >

この作品をシェア

pagetop