この声がキミに届くのなら
屋上の天使



失恋してから初めての学校をなんとか終えた。


何を勉強したのか覚えていない。


今日はノートも白紙だった。


教科書やペンケースもそのままに、何も持たずにわたしは屋上へ向かった。


すれ違う生徒達は、部活に向かってたり騒いで楽しそうにおしゃべりしたりしていた。


学生らしいことしてなかったな…。


高校は帰宅部で友達もいなかったから。


ちょっと後悔をしながら、誰もこない学校の屋上へと着いた。



< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop