Smile  Again  〜本当の気持ち〜
「聡志は飲み物は牛乳だよね?」


「おぅ、ありがとう。」


そうか、俺の牛乳好きを覚えててくれたのか。なんかますます嬉しくなる。


やがてハムエッグとサラダも出て来て、由夏も食卓に着く。


「おいしい?」


「あぁ、本当にありがとうな。」


「どういたしまして。パンまだあるから焼こうか?」


「いいから、お前も早く食えよ。」


「うん。じゃ、いただきます。」


イブの朝に、2人で朝飯食べてるって、結構いいかも。俺が内心、悦に入ってると


「そう言えば、お母さん達から連絡来た?」


「全然。」


「ひどいよね?結構大きな地震があったのにさ。」


「期待しちゃダメだよ、あの人達には。」


「そっか。」


俺達は、顔を見合わせて笑う。それからも俺達はまるで新婚ムードのまま、朝食を楽しんだ。


「ごちそうさま。」


「デザートにリンゴむくよ。」


「なんか、至れり尽くせりだな。」


「このくらい、させて下さい。」


これはかなりのご褒美だな、昨夜の苦行が報われたよ。


リンゴまでご馳走になって、すっかり満腹になった。由夏は立ち上がって、片付けに入ろうとするから


「俺も手伝うよ。」


「そんな、いいよ、座ってて。本当に昨日、無理聞いてもらったから・・・ありがとう、嬉しかった。」


「いや・・・。」


改めてそんな礼を言われると結構照れ臭い。でも、これだけは言っとかないと。


「でもさ、世の中、こんなお人好しの男ばかりじゃないからな。これからのお前の人生の為に、忠告しとくよ。」


「わかってる。大丈夫、こんなこと、聡志じゃなきゃ、頼まないから。」


「えっ?」


「聡志以外の男子には頼まないよ、絶対に。」


由夏、それどう言う意味なんだ?俺なら人畜無害だからってことか、それとも・・・。


「でもご忠告は真摯に、受け止めさせていただきます。」


そう言って、いたずらっぽく笑う由夏に、俺もつられて笑ってしまう。


「じゃ、食い逃げみたいで悪いけど、俺はそろそろ失礼するか。」


「えっ、帰っちゃうの?」


「もう、さすがに大丈夫だろ?風呂も入りたいし、それに正直、腹いっぱいになって、また眠くなって来た。帰って、もう少し寝るわ。」


「そっか。じゃ、本当にありがとう。」


「あいよ。」


俺は立ち上がると玄関に向かう。由夏も見送りに付いて来てくれる。


「じゃあな。」


「うん。聡志、気を付けてね。」


「ああ。」


そう言って1歩踏み出した俺は、フッと振り返ると


「由夏。」


「なに?」


「メリークリスマス。」


「えっ?」


「じゃ、また明日。」


そう言い残して、玄関を出た。


メリークリスマスか、そう言えばケーキ差し入れようとか、昨日思ったけど、とりあえずもういいか。


なんか、いろんな意味で、お腹いっぱいになったし、またノコノコやって来て、由夏の勉強の邪魔してもな。


ケーキは来年の楽しみに、それまでに一緒に食べてくれる子が出来てると信じて・・・。
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