Smile  Again  〜本当の気持ち〜
少しすると、聡志がいかにも面倒って顔で降りて来た。だから、私の方が行くって言ったのに・・・。


「これ、田舎から送って来て。よかったら食べてって、ウチのお母さんが。」


「ああ、わかった。」


ありがとうでもなく、ぶっきらぼうにそう言うと、聡志は袋を、私の手からひったくるように受け取った。なんなの、こいつ・・・。


「そう言えば、甲子園、残念だったね。今更だけど、お疲れ様。」


「別に疲れてねぇよ。試合出たわけじゃねぇし。」


「・・・。」


なんで、こんな言い方しか出来ないの?私の忍耐が、そろそろ限界に達しつつあるところへ


「まだ、何か用?そろそろ練習行くんだけど。」


という言葉が降って来て、私はついにキレた。


「なんなの?そんなに私と話すのが嫌なわけ?これでも私達、幼なじみでしょ?あんたに嫌われてるのは、わかってるけど、物をもらったら、ありがとうくらい言うのが普通でしょ!」


再会してから、積もりに積もっていた憤懣が、ついに爆発してしまった。


「だったら、話し掛けてくんなよ。その方がお互いの為だ、俺は必要のない奴と話しするのが、めんどくせぇんだ。」


必要のない奴・・・そうなんだ、聡志にとって私は、必要ない存在なんだ・・・。私はこれ以上、もう何も言う気がなくなった。


「わかった、じゃあね。」


私は力なく、つぶやくように言うと、聡志に背を向けて歩き出した。後ろから、聡志が部屋に戻る音が聞こえる。


ただ、悲しかった。涙は出なかったけど・・・。
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