好きです、田畑さん!
頭を抱えていた両手を勢いよくベンチにつく、


と、バキッ!!と音がしてひび割れてしまう!



「しまった!またやっちゃった!!」



思わず立ち上がってベンチの状態を調べる!



よかった……。


ひびが入っただけだ。



ほっと息をついた、その時。




『俺、田畑さんのそういうところ好きーー!!』




…………っ!?



急に夜神の笑顔が頭を過ぎた。




なんで、


今、


夜神……!?



智国くんのことで傷ついていたはずなのに、その傷よりも問題児の綻ぶ顔が浮かんでは消えない。



こんな状況なのにどうして夜神がでてくるのか、ドギマギしていると……!




「田畑さーん。」


「え………?ーーーっ、や、夜神っ!!?どうしてこんなところに!?」



今思い浮かべてた人物が草むらの影から現れて、あたしはみっともないくらい動揺してしまった!


夜神はあたしの反応を見て何かを感じたのか、訝しげな表情でこちら見て言う。



「どうしてって…。田畑さん、花火の場所にいないから探しに来たんだよー?忘れちゃったの?俺と一緒にやろうっていう約束。」



………あ!



そ、そういえばそうだった…。



「ご、ごめん……。ちょっと今、それどころじゃなくて……。」



そう言って夜神の方へ視線を向けると目が合ってしまう!



「………っ。」


息を飲むと、あたしはすぐに夜神の視線から逃れるために目をそらした!
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