ちゃんと伝えられたら
私は袋の中を覗いて、思わず微笑む。

「ありがとうございます。嬉しいです。」

私の言葉を聞いて、ホッとした様子を見せる坂口さん。

「明日も無理して会社に来るなよ。ちゃんと直してから来い。」

それだけ言うと、あっさりと坂口さんは帰って行った。

坂口さんって、あんな人だったっけ。

私は坂口さんの後ろ姿を見ながら、そんな事を思う。

そして私はゆっくりと自分の部屋に入る。

人に心配されるって嬉しいな。

すごく身体がほっこりとする。

これは熱がぶり返したわけではない。

私は布団を抱きしめながら、その余韻に浸っていた。







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