ちゃんと伝えられたら
このまま坂口さんの顔を見ていると、気になって何を言い出してしまうか分からない。

こういう時は資料室に逃げ込むのが一番だ。

私はデスクの上にある資料を持って、その場を離れた。

「参ったな…、タイミングが悪すぎる…。」

私は資料の棚に向かって、溜息をついた。

あの場で電話に出なかった坂口さんにますます不信感が募る。

私に二人の会話を聞かせたくなかったんだろう。

あの人とは一体どんな関係なんだろう。

坂口さんを信じていない訳ではないけれど、プライベートを知らないという事はこんなに不安になるものだろうか。

ぐるぐると私の頭の中は悪い方へ考えが偏っていく。

「寺本さんの事もあるしな…。」

「寺本さんと何かあったのか?」

そこに慌てた様子で坂口さんが入って来た。

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