ちゃんと伝えられたら
私は思わず目が点になる。

私、聞き間違いをしたかな。

私の表情が動かない事に、坂口さんは声を出して笑う。

「仕事でこれだけ一緒に居るのに、プライベートでなかなか会えないのなら、それも良い方法だと思わないか?」

私の想像の範疇を超えた言葉に、今度は私の身体まで固まる。

「まあ、俺はこのプロジェクトが終わっても、志保を俺専任の補佐に置く事を課長から確約を取っているけれどな。」

今…、坂口さんは何て言った?

「ええっ…、どういう事ですか?」

確か係長に昇進すれば、そういう申し出も許可されるシステムのはずだけれど…。

「このプロジェクトが認められて、ちゃんと全うした場合、俺は主任から係長に昇進が決まった。」

私はポカンと坂口さんの顔を見つめるばかりだ。

「これからは文字通り、仕事もプライベートも一緒という事になる。」

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