ちゃんと伝えられたら
「坂口さんが良ければ、時々掃除をしに行きましょうか?」

私達はテーブルに向かい合って座った。

テーブルが狭くて申し訳なく感じる。

時間がなかったので、今日はオムライスだ。

「それならさ…。」

そう言いながら、坂口さんは手を合わせて“いただきます”の仕草をする。

そして一口、スプーンを口に運ぶ。

「うん、美味しい。」

坂口さんはニッコリと笑った。

私は素直に笑顔を返す。

「それならさ…。」

坂口さんは同じ言葉を繰り返した。

「一緒に住まないか、俺達。」

「えっ?」

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