ちゃんと伝えられたら
私は坂口さんの頬にキスをした。

それが私の精一杯。

「志保…、お前…、そんな可愛い顔をするな。」

照れた表情を隠さずに、そして私を組み伏せる坂口さん。

「もう止められないからな。」

私に強く拒否して振り向かせなかった時の坂口さんは、こんな顔をしていたのだろうか。

思わず私はクスリと笑った。

「随分余裕だな。」

「大好きです、綾人さん。」

坂口…、いや綾人さんの顔に驚きの表情が浮かぶ。

「ありがとう、志保。」

私達はこの後、長い夜を過ごす事になった。











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