ちゃんと伝えられたら
私がまるで綾人さんの邪魔をしているような言われ方だ。

相手が無茶苦茶な事を言っているのは分かっている。

でも…。

あれだけ仕事の出来る人がもっともっと上を目指すのは当然の事だと思う。

何が…、私がどうすることが綾人さんにとって一番良い事なんだろう…。

思わず私は考え込む。

しかし、仕事は待ってくれない。

私はやっと我に返ると、また書類を作成し始める。

でもいつの間にか手が止まってしまう。

「篠田、課長が呼んでいるよ。会議室に行ってもらえるかな。」

沢野さんが声を掛けに来た。

「午前中に篠田を探していたのはこれを伝えるためだったのに、すっかり忘れちゃって。」

沢野さんはニッコリと笑ったが…。

< 196 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop