ちゃんと伝えられたら
「坂口くん、あまり篠田さんを虐めない様にね。」

そしてドアが閉まった。

「篠田、俺と仕事をするのが怖いのか?」

課長の座っていた位置に坂口さんは座ると、私を見る。

「そういう訳ではありません。ただ私では足を引っ張ってしまわないか心配なんです。」

私は不安気な表情をした。

「篠田は俺に従っていればいい。それだけの力はついているはずだ。」

坂口さんが私に資料を渡しながら言った。

「その代わり、かなりの仕事量になると思う。残業は当たり前だ。会議ではほぼ俺と行動を共にして会議録を残していってもらう。篠田…。」

坂口さんは真顔で私を見た。

「やっぱり俺が怖いか?」

私は静かに首を横に振る。

「こないだから言っていますが、私は坂口さんが怖いわけではありません。優秀な営業さんの仕事の足を引っ張るのが怖いんです。」

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